MSC クルーズは 8 月 20 日、イタリアのフィンカンティエリ社の造船所にて MSC シーショア(16 万 9500 トン)の進水式を実施しました。2021 年 7 月に就航予定の新造船、MSC シーショアはシーサイドクラス(全 4 隻)の第 3 隻目として同社が保有する最大級の船となり、最新鋭のテクノロジーが採用されます。
シーサイド EVO クラス(全 2 隻)としては第 1 隻目として就航し、一新された船内デザイン、拡充したキャビン数とアウトドアスペースなど、船全体の 65%以上が新しく改善され、姉妹船 MSC シーサイド(2017 年就航)、MSC シービュー(2018 年就航)をさらに超える新造船となります。
MSCシーショアは339メートル、最大収容人数 5877 人。シーサイド世代船の特徴である、海を身近に感じるクルーズを体験でき、パノラミックリフト、グラスキャットウォークなど特徴的なデザインを楽しめます。
船体は 16 メートル拡張し、船内は 1 万平方メートル分の面積が追加されたことで MSC ヨットクラブエリアが拡充されます。さらに船内の前方と中央にミーティングポイントが設けられることで混雑を分散できます。
同船には、テラス付きスイート(28 室)、プライベートジャグジー付きスイート(2 室)などのスイートルームを拡充し、また、MSC ヨットクラブでは新たなキャビンカテゴリーとしてデラックスグランススイート(41 室)、ジャグジー付きオーナーズスイート(2 室)が誕生します。
また、同船は環境への影響を最低限に抑える最新環境保護テクノロジーが採用されます。最新の SCR 脱硝装置(Selective Catalytic Reduction)を搭載し、窒素酸化物の 9 割削減を実現し、さらに、採用される高性能廃水処理システム(AWTS)は、処理された廃水を世界水準を超える高品質な水に戻します。
フィンカンティエリ社 CEO のジュゼッペ・ボーノ氏は「進水する瞬間は、造船に携わる者としていつも心が満たされる瞬間であり、関係者全員のコミットメントが高まります。船が進水するまでにはすでに多くの作業が完了していますが、今後の作業はまだ残されています。今までにないこの船はイノベーション、テクノロジー、デザインに焦点を当て、フィンカンティエリ社のリーダーシップを具現化するものであります。昨今、世界中で先が見えない中、進水式を開催できたことは大きな意味があり、MSC クルーズ、フィンカンティエリ社、そしてクルーズ業界にとって良い兆しであると考えます」とコメントしました。
MSC クルーズ エグゼクティブチェアマンのピエールフランチェスコ・ヴァーゴは、「新造船計画に注力し、船級ごとにイノベーションを実現することでクルーズ業界における新たなスタンダードの確立を目指します。2021 年に就航する 2 隻のうち、1 隻は MSC シーショアであり、イタリアで建設される船としては最大級かつイノベーションを最も追求した船であり、最新鋭の環境保護技術が採用されます。進水式を開催できたこと、また、クルーズ業界の新スタンダードとなった衛生と安全に関する新プロトコルに投資してきたことで、業界の長期的成長に対する我々の強い思いを表明できたことと思います」とコメントしました。
MSC シーショアはデビュー後、地中海で「6 つの真珠」と名付けられたコースを巡り、ジェノバ、ポンペイ、メッシーナ、バレッタ、バルセロナ、マルセイユに寄港する予定です。